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ペットフードの定義

1.【キャットフードの定義】

普段何気なく猫ちゃんに与えているキャットフードですが、「キャットフードとは何か?」と聞かれた際、的確に答えられる飼い主さんは案外少ないのではないでしょうか。
「猫に食べさせるもの」がキャットフードでしょうか?
それとも、「猫のために作ったもの」がキャットフードでしょうか。
厳格にひとつの定義があるわけではありませんが、一例として、「ペットフード公正取引協議会」と「ペットフード安全法」によって定められた定義を紹介します。

(1)●ペットフード公正取引協議会による定義

ペットフード公正取引協議会は、1974年に「ドッグフードの表示に関する公正競争規約」を定めるために発足した、「ドッグフード公正取引協議会」が前身となった団体です。
ドッグフードの栄養基準が日本で初めて定められたのもこの年、ということになります。
キャットフードの規約に関しては、その需要の高まりにより、1991年に規約に追加されました。
同時に「ペットフード公正取引協議会」と名称を改め、ペットフードの取引について行う表示に関する事項を定めることにより、業界の公正な競争と消費者の適正な商品選択を促すことを目的としています。

そんな「ペットフード公正取引協議会」の定めた「ペットフードの表示に関する公正競争規約」において、キャットフードは以下のように定義されています。

ペットフードとは、穀類、デンプン類、糟糠類、糖類、油脂類、種実類、豆類、魚介類、肉類、卵類、野菜類、乳類、果実類、きのこ類、藻類、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、その他の添加物等を原材料とし、混合機、蒸煮機、成型機、乾燥機、加熱殺菌機、冷凍機等を使用して製造したもの、又は天日干し等簡易な方法により製造したもので、イヌ・ネコの飲食に供するものをいう。
(ペットフード公正取引協議会 公式HPより引用)

※文中の「簡易な方法により製造したもの」とは、乾燥ササミ(チキン)や乾燥タラなどを指します。

上記に定義された「ペットフード」のうち、猫に与えるものを「キャットフード」といいます。
ここで注意しなければならないのが、「猫に食べさせるもの全てを指すわけではない」ということです。
ペットフード公正取引協議会の定めるキャットフードは、「猫に食べさせるために加工を施したもの」を指します。
そのため、猫に人間の食べ残しを与えても、それはキャットフードには含まれません。

また、以下の場合もキャットフードの括りから除外されます。

・猫用の天然水(栄養や嗜好性物質が添加された場合は、キャットフードに含まれます。)
・動物の骨や皮(遊び用のおもちゃとして使われるもの)
・歯磨きガムなど
・主食でも副食でもない、栄養補助剤(ある時期に特定の目的で使用されるもの)
・肉や魚をただ冷凍させただけのもの(生肉・生魚)

簡単に言えば、上記のもの以外で「猫に食べさせる目的で加工を行ったもの」がペットフード公正取引協議会における「キャットフード」に該当するということです。

(2)●ペットフード安全法における定義

もう一つ、「ペットフード安全法」におけるキャットフードの定義について紹介します。

「ペットフード安全法」は2009年に施行された法律で、正式名称は「愛がん動物飼料の安全性の確保に関する法律」といいます。
これは日本で初めてとなるペットフードに関する法律です。
裏を返せば、それまで日本にはペットフードを規制・管理する法律が存在しなかったということです。
案外歴史が浅いと感じた方もいるのではないでしょうか。

「ペットフード安全法」におけるキャットフードの定義(=猫に与えるペットフードとして、法律の適用される範囲)は、ペットフード公正取引協議会の定める定義と少々異なります。
ペットフード安全法における定義の方が、協議会の定義よりもやや広いものであると考えると、イメージがしやすいと思います。

協議会における定義では、「猫のために加工したものである」ことがキャットフードとしての条件でしたが、ペットフード安全法では、「加工の有無は問わない」としています。
つまり、「猫の栄養に供する目的のものであれば、加工品でなくともキャットフードとして扱う」ということです。
この場合は、生肉や動物の骨なども、キャットフードとして分類されます。

それぞれの定義の違いに関しては、以下の表にまとめましたので参照してください。
定義 加工しないもの
ペットフード公正取引協議会 猫用に加工されたものを指す 含まない
ペットフード安全法 猫の栄養に供するものを指す 含む

2.【キャットフードと家畜用飼料の違い】

キャットフードに関する大まかな定義に関しては、お分かりいただけたかと思います。
しかし「動物に与える食べ物」はなにも、キャットフードやドッグフードだけではありません。
大きなカテゴリーとしてみれば、「家畜に与える飼料」も含まれます。
「キャットフード(広くはペットフード)」と「家畜用飼料」の間には、明らかな線引きがされており、区別されています。

家畜飼料との違いを明確にさせることで、「キャットフードの定義」がよりはっきりと浮き彫りになるのではないでしょうか。

それではキャットフードと家畜用飼料とでは、どのような違いがあるのか、見てみましょう。

(1)●用途による違い

キャットフードと家畜飼料の最大の違いは、「用途・目的の違い」です。
家族にも等しい存在である愛猫には、できる限り長生きしてもらいたいですよね。
そんな飼い主さん共通の願いを反映してか、キャットフードをはじめとするペットフード全般は「ペットの健康を守り、長生きしてもらう」ことを目標に栄養や成分が調整されています。
そこに経済効率は一切求められていません。

対して家畜用飼料の場合は商品ですので、ただ健康でいてくれればいい、というわけではなくなってきます。
利益を得るためには、ある程度の経済効率も必要です。
そのため家畜には、短期間で育成・出荷するのに適したものが飼料として与えられるのです。

また、こういった目的の違いは、投与される薬品の扱いにも影響するようです。
抗生物質や抗菌剤は、キャットフードに使用することは認められていませんが、家畜用飼料の場合は一部(※)使用が認められています。
家畜はペットと異なり「健康で長生きしてもらう」ことが最終目標ではありませんので、生産効率を向上させるためには薬品の使用もやむなし、といったところでしょうか。

※最終生産物(家畜)に残留しない範囲であれば、抗菌剤や抗生物質の使用が認められています。

(2)●加工方法の違い

加工方法の違いから見ても、キャットフードと家畜用飼料とでは大きく異なることがわかります。

まずひとつは、加熱加工がされている点です。
基本的に、キャットフードを含むすべてのペットフードには、加熱処理がされています。
また、フードに含まれるデンプンもα化 (※)されます。
α化されたデンプンは猫にとって消化しやすいもので、人の食べるものにも同様の処理がされることから、メーカー側の細やかな気遣いが感じられると思います。
粒の大きさや栄養に関しても、ライフステージや体質によって様々なタイプがあります。
「健康で長生きしてもらう」という最終目的が、しっかりと反映されていますね。

それに対して家畜用飼料には、加熱加工もデンプンのα化もほとんど行われません。
ライフステージに合わせた加工も、せいぜい粒の大きさを変える程度です。

こうしてみると、家畜用飼料にはない配慮が、キャットフードにはされていることがわかります。
結論として、キャットフードの定義は「猫が健康に長生きができるように配慮された、猫向けに作られたもの(栄養を供するもの)」であるといえるのではないでしょうか。

筆者個人の考えになりますが、この定義からいえば「猫のための手作りごはん」も「キャットフード」として扱ってよいのではないかと思います。
猫のために栄養が調整されたものであり、加熱などの加工を施したものであるからです。

※α化…別名「糊化(こか)」ともいいます。
デンプンは水で溶いて加熱すると、結合が溶けて糊状に変化しますが、これをα化といいます。
この状態のデンプンは犬や猫でも、自身の消化酵素でも容易に消化・吸収することができます。
キャットフード 家畜用飼料
用途 猫が健康に長生きするための食事 生産性・効率を重視した飼料
抗生物質・抗菌剤の有無 使用は認められない 一部使用が認められる
加熱 必ず行われる 一部にのみ適用
α化 必ず行われる 一部にのみ適用
形状 用途に合わせて多種多様 種類は少ない
栄養基準 健康を特に配慮 生産効率も考慮
種類 ライフステージ・嗜好・用途によって様々なものがある ライフステージによってわずかな差があるのみ

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